BGM: 「Behind The Mask」 by YMO
「JM」はウイリアム・ギブソンの「記憶屋ジョニー」の映画化だが、原作にない設定があり、それが物語を深みのあるものにしていた。
近未来、電磁波が原因のてんかんに似た症候群に人々が苦しめられている。その治療法を発見した企業は、治療薬を売り続ける方が利益があがるので、それを闇に葬り去ろうとする。企業内の良心のある人々がそれを盗み出して、ジョニーに記憶させて、外部に持ち出そうとする。しかしそれは会社側にばれて、妨害が入る。ジョニーは、金のために危険を省みず、自分の記憶容量以上の情報を読み込む。1日以内にそれを引き出さなければ命に関わるが、その引き出しコードが手に入らず、悪戦苦闘する。会社側の刺客が何度もやってきて‥‥‥。
いわゆるサイバーパンクな感じは良く出ていたと思う。原作よりもスリリングな出来だった。たけしは印象に残ることは残るが、予告編で取り上げられた程はストーリーに大きく関わっていなかった。
「攻殻機動隊」もサイバーパンクな世界を描いた作品だが、よりSFな(ヲタクな)感じが強い作りになっていた。作品のテーマとしては「JM」よりも深い。
人工知能が生命になりたい(=自己の遺伝子(=データ)を複製する機能を持ちたい)という事から起こる事件。それは外務省がある外交問題を力ずくで解決するために生み出したAIプログラムの反乱から始まった‥‥‥。
人間が利便性を追求して自己を機械化していく事が日常化してる世界。その状況下で生命とはという命題を、生命になりたがるAIに光をあてて描こうとしている。
サイバースペースの映像は「JM」の方が良くできていたと思う。あとどうしても不思議だったのが、こんな進んだ世界でもターミナルの操作はキーボードで行うところだ。脳をサイバースペースに直結出来るのに‥‥‥。
どちらも1995年の作品なのでWIN95が出た頃に公開されたはずだ。95のおかげでインターネットが身近になった後の作品なので、そのサイバーな描写は受け入れやすくなっただろう。まぁ今ではサイバーパンク自体が過去のものっぽい気がするが。
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評価:
沖浦啓之,河森正治,竹内敦志,田中敦子,大塚明夫,山寺宏一,押井守
バンダイビジュアル
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(2004-02-25)
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